街の中心地に続く主要道路から一本奥まった、落ち着いた環境が魅力の敷地。
道路からの高低差のある土地の特性を生かし、約25坪の土地に地下車庫付きの自然光をふんだんに取り込む2階建て住宅が完成した。
建て主のK様は、8年前にも私達に家づくりをご依頼いただいたご夫婦。
お子様も大きくなり、2軒目のこの土地に出会われた際、迷わず私たちに声を掛けて下さった。
直線的でスクエアな外観デザインは、1軒目からイメージを引き継ぎ、更に潔く都会的に洗練された印象となった。
都心部では1階部分は一般的に採光が取りづらくなる場合があるが、プライバシーを守りながらも自然光を上手く取り込むよう開口の配置を考慮し、1階にいながらも自然光を感じられるエントランスと居室を実現した。
お子様がより一層 音楽や勉強に集中して取り組めるよう、インナーサッシの設置や一部内装をRCの床・壁とする等 防音対策にも配慮し、それぞれが快適に過ごせる工夫をこらしている。
2階のリビング・ダイニングでは、南面の吹抜けの大きな窓からさわやかな風と光が注ぎ込む。
リビングと床続きのウッドデッキバルコニーは、周辺の建物よりも高く上がっている地形のおかげで、周囲の視線も気にならず、開放感を味わえる。
リビングの吹抜けとつながるキャットウォークはデザイン性のみならず、耐震性の向上にも一役買っている。
ガラス張りのスケルトン階段を通して、自然光に照らされた隣地の緑が揺れるのも心地良い。
どこにいても、外との緩やかなつながりを感じられる構成となっている。
水廻りスペースは2階ダイニングキッチンに隣接してまとめ、直列に配置。
家事と身支度が効率的にできるコンパクトな動線は、忙しい毎日をストレスフリーへと変えていく。
内装のメインカラーとなっている白・黒は、クールになりがちな色味ではあるが、K様邸の場合は濃淡をつけながら自然素材や植物をバランス良く取り入れ、適所にライティングも施すことで温かみのある雰囲気を作り出し、緊張感を和らげている。
シンプル・シックでスタイリッシュな中にも 温もりと心地良さを形にした、豊かな暮らしを育む都市型住宅が、今日も街並みを凛とさせる。